卒爾ながら「都会の環境」殿へ
先日上京する機会があり、私は真夏の旅と覚悟し、軽装で出かけた。日頃から温暖化防止のため、なるべく公共交通機関を利用しているが、その日も早朝から灼熱の陽が射す中を、流れるほどの汗をかきつつバス停に向かった。
やがてバスに乗りこむと、エアコンの利いた車内の涼しいこと。飛行場や、飛行機にしても、東京で乗り換えのモノレールや各電車、はたまた私が参加した会の会場も同様だった。用事を済ませ向った宿泊のホテルはいうまでもない。道中汗まみれと覚悟した旅は、快適さを通り越し、しばしば寒いと感じるほど上着が必要な旅だった。私たち田舎に住む人の全てではないが、少なくとも私の活動メンバーの暮しと、都会の人々との暮らしとでは、地球温暖化に対する姿勢に正反対のものを感じた。無論、一概にはいえないことではあるが・・・。
私どもの田舎の夜は早い。夜9時ともなると、街の灯の多くは落ちる。といっても、家族団らんで一つの部屋で過ごしている人が多い。夜道で照明が煌々と輝いているのはパチンコ店かコンビ二の深夜営業ぐらい。
私は仲間とともに田舎で河川浄化から・植樹・ゴミ・省エネ問題まで、幅広い環境保全活動を行っている。「限りある資源を大切に」とリユース、リデュースの運動を推進。小学校の出前授業で、児童と地元特産の「い草」の廃棄部分で和紙と灯篭を作る。給食センターや家庭の廃油を利用してロウソクを作り、それらを灯して家族で集い、平和や環境について考えるイベントを実施する。又、海の廃棄物のかき殻での河川浄化活動は、高校生を中心に活動し、ゴミ問題も念頭におき、昼食の際、食器類は学校給食食器の廃棄処分品を使用するので、500人近くから出るゴミは袋1枚である。 我市の誇る所は、ゴミの21分別を実施し、子ども達も瓶のキャップやラベルを上手にはがし洗い、ビン・ペットボトルなど多種の分別ができる。
聞く所、大都会では、ゴミも2種類ほどの分け方の所もあれば、高温で燃やしてしまえ!という所もある。自負するつもりはないが、私の田舎の同志は、本当に涙ぐましい努力をしている。そこまでしなくても。という程、真摯に地球を守ろうとしている。そんな人達と日頃接している私は、ヒートアイランド現象を覚悟して向かった大都会で、24時間眠る事なく、たくさんのエネルギーを使いながら動き続けているさまを目の当たりにし、この環境の中で、都会っ子はどうなるのだろうと、ふと考えてしまった。
おいしい空気も、生まれたての湧き水も、凪の静けさの良さも、まったく感じない人にならないで欲しい。田舎の暮しは金銭的には充実していないが、大自然と心の豊かさは勿論お金では買えないものがある。昔、都会の大人も大自然の中で遊んだはず。だから、すべからく掌中の珠である次世代の子ども達の為に未来に繋ぐ行動を「今」始めて欲しい。我々田舎の大人と共に!